■sin3° (その10)

あるとき、半月と太陽が同時にみえ、月の見える方向と太陽の見える方向のなす角が87°であった。・・・

半月のとき、月と地球、太陽の作る角度は直角である。

アリスタルコスは月・太陽・地球のなす角は直角の1/30=3°であると見積もった。

彼は地球から太陽までの距離/地球から月までの距離を求めようと考えたのである。

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アリスタルコスは地球と太陽の距離は地球と月よりも19倍長いと推論した。

  sin3°=1/19

は正しい答えであったのだが、問題は角の測り方であった。

実際はその角度は3°ではなく約10′にすぎなかったので、実際の値はアリスタルコスの計算よりも390倍大きかったのである。

ともあれアリスタルコスは歴史上はじめて太陽系の大きさを見積もったことになる。

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sin18=(√5-1)/2

sin15=sin(45-30)=(√6-√2)/2

したがって、

sin3°=sin(18-15)={(√5-1)(√6+√2)-(√6-√2)(10+2√5)^1/2}/16

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