■フェルマーの合同式(その2)

 pが素数のとき

  1^p−1,2^p−2,3^p−3,4^p−4,5^p−5,・・・はすべてpで割り切れるのであるが,たとえば,p=7として,n^7−nが7で割り切れることを示してみたい.

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[1]p=2のとき

  n^2−n=n(n−1)

 連続する2つの整数の積は2の倍数なので,n^2−nは2の倍数となり,n^2とnを2で割ったときの余りは等しい.

[2]p=3のとき

  n^3−n=(n+1)n(n−1)

 連続する3つの整数の積は3の倍数なので,n^3−nは3の倍数となり,n^3とnを3で割ったときの余りは等しい.

[3]p=5のとき

  n^5−n=n(n^4−1)=n(n^2−1)(n^2+1)

=n(n^2−1)(n^2−4+5)

=(n−2)(n−1)n(n+1)(n+2)+5n(n^2−1)

 連続する5つの整数の積は5の倍数なので,n^5−nは5の倍数となり,n^5とnを5で割ったときの余りは等しい.

[4]p=7のとき

  n^7−n=n(n^2−1)(n^4+n^2+1)=n(n^2−1){(n^2−4)(n^2−9)+14n^2−35}

=(n−3)(n−2)(n−1)n(n+1)(n+2)(n+3)+7(n^2−1)(2n^2−5)

 連続する7つの整数の積は7の倍数なので,n^7−nは7の倍数となり,n^7とnを7で割ったときの余りは等しい.

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42が任意の整数に対してn^7-nを割り切ることを示したい。

(証)

n^7-n=(n-1)n(n+1)(n^2+n+1)(n^2-n+1)

フェルマーの小定理よりn^7-nは7で割り切れる。

(n-1)n(n+1)は連続する3数だから6で割り切れる。

gcd(7,6)=1より^7-nは42で割り切れる。

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