■平面上の4本の直線(その3)
平面上に,一般の位置関係にある4本の直線がある.どの2本も平衡ではなく、どの3本も1点では交わらないので、交点の数は(4,2)=6となる。
それそれの直線状に等速で動く動点がある。
[1]動点1が動点2,3,4と交点で交わる
[2]動点2が動点1,3,4と交点で交わるものとすると、
[3]動点3と動点4も交点で交わることが証明される。
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[1]動点1が動点2,3,4と交点で交わる時刻をそれぞれ、t1,t2,t3
[2]動点2が動点3,4と交点で交わる時刻をそれぞれ、t4,t5
[3]動点3が動点4も交点で交わる時刻をt6とすると
h(t1,t2,t3,t4,t5,t6)=-t6t2t5-t6t1t3+t6t1t5+t6t4t3+t6t2t1-t6t4t1+t5t3t2+t5t4t2-t4t3t2+t4t3t1-t5t4t3-t2t1t5=0
がなりたつ。
したがって、t1-t5が決まればt6も決まるのである。
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動点1の時刻tの位置座標(0,3t)
動点2の時刻tの位置座標(6t,0)
動点3の時刻tの位置座標(12t-12,6-3t)
動点4の時刻tの位置座標(-2t-4,4t+2)
とすると、
t1=0,t2=1,t3=-2
t4=2,t5=-1/2
t6=4/7
となるが、このとき
h(t1,t2,t3,t4,t5,t6)=-t6t2t5+t6t4t3+t5t3t2+t5t4t2-t4t3t2-t5t4t3
=-4/7・1・(-1/2)+7/4・2・(-2)+(-1/2)(-2)・1+(-1/2)・2・1-2(-2)・1-(-1/2)・2・(-2)
=4/7・(1/2-4)+(-1/2)(-2+2+4)+4
=-2-2+4=0
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どことなく、パップスの定理やモンジュの定理と雰囲気が似ているが、
[1]パップスの定理
2本の直線それぞれの上に3個の点があり、それらを結ぶ6本の直線の交点をして3つの点が得られる。この3点が同一直線上にある。
[2]モンジュの3円定理
平面上に相異なる半径で互いに交わらない3円があるとき,それらのうちの2円ずつに接する接線の3交点は一直線上に並ぶ.
この定理は2次元における定理であるが,3円を3球に変えて,3次元空間で見事に証明されるのであるが,これは特筆すべきことであろう.すなわち,・・・ 空間内に相異なる半径で互いに交わらない3球があるとき,それらのうちの2球ずつに接する接円錐の3頂点は同一平面上にある.
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