■相貫円柱(その13)
半径が等しい2つの円柱を中心軸が直交するように相貫させたとき,その共通部分がどのような形になるのか,頭の中で想像するのもなかなか難しい.
2つの直交する円柱面の交わりは2つの楕円からなる。この楕円は円柱の斜め45度の切り口になっている。2つの円柱の共通部分の立体は陪円柱(bicylinder)と呼ばれる。
2つの円柱の軸がx軸とz軸で、半径がrの場合、円柱面の方程式はy^2+z^2=r^2,x^2+y^2=r^2
足せばx^2+2y^2+z^2=2r^2・・・回転楕円面
引けばz^2-x^2=0,z=±x・・・2つの平面
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次に円柱を楕円柱にする。2つの円柱の軸をx軸とy軸とするとその両方に直交するのはz軸である。
それぞれの円柱をzと直交する方向から1/√2倍押しつぶすと2y^2+z^2=R^2,2x^2+z^2=R^2
2つの楕円柱の軸と直交する座標軸に沿って、反対向きにずらすとそれぞれの楕円柱の方程式は
2y^2+(z+d)^2=R^2,2x^2+(z-d)^2=R^2
になる。Rは元の円柱の円の半径,2dは2つの軸の間の距離、R>dのとき交わるが、R<dのときは交わらない
2つの方程式を足したり引いたりすると
x^2+y^2+z^2=a^2=R^2-d^2,x^2-y^2=2dz
が得られる。これらは球面と放物楕円面の方程式である。球面と放物楕円面との共通部分によって定まる曲線は
野球のボールの縫い目やテニスボールの溝と同じような形をしている。
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